■不登校状態で参加した方の事例 Aさん(17歳・女性)
「普段はなかなか朝起きるのがつらいのですが、馬の活動がある日は不思議と目が覚めるのです。 乗馬場に行くまでは、多くの人と一緒に電車に乗らなければいけないし、ちゃんとたどり着けるか不安な気持ちも多いのですが、 いざ馬と会ったり、毎週会うスタッフの方に声を掛けてもらったりすると、不思議とヤッパリ来て良かったなと思います。」
「帰るときには、楽しい気持ちでいっぱいになって、あ~もっとのりたいなぁ~とか、今度来るのが楽しみな気持ちになります。 馬の活動に参加して一番思うことは、とにかく「楽しい!」ということ。何だか元気が出る、という感覚をずっと忘れていたように思うので、こうした体験が出来てとても嬉しく思います。」
■ひきこもり状態で参加した方の事例
Bさん(25歳・男性)…「自分では段取りが出来ないような体験をすることが出来た。 始めはいろいろと不安もあったが、何よりも、予定を迎えてこなすということがなかなか出来ない中、毎回参加することが出来てよかった。 また、参加するために、1週間を張りを持って過ごす事が出来た。 気分的に前向きになって、個人的に活動をしてみようという気持ちになった。 予定をこなすことが出来た。予定を迎えることへの不安の気持ちが減った。 生活の中に予定を入れることに前向きになった。」
Cさん(42歳・男性)…「非常に楽しく過ごす事ができた。出会う皆さんとの会話が楽しかった。 部屋を片付けたり、久しぶりにアルバイトをしようかなと、考えたりしている。 スタッフの皆さんがボランティアで接してくれているということに感謝の気持ちであった。 こうした社会体験が刺激になった。気分の落ち込みが改善した。 心身の体調が良くなり、身体イメージが改善した。 昼間も買い物に行けるようになり、外出の機会が増えた。」
■不登校・ひきこもり支援プログラム」に参加した人たちのその後~馬たちが引き合わせてくれた縁
Tさん(43歳)の場合…
Tさんが、厚生労働省ホースセラピー臨床研究に参加してくださったのは2005年、秋のことでした。
国立T大学卒業という世間で言うエリートでしたが、サラリーマン生活に馴染むことができず、転職を繰り返すうちにひきこもり生活7年目を迎えようとしていた時だったそうです。
そのときの参加メンバーのほとんどが高校生でしたが、みんなのリーダー的存在で率先していろいろなプログラムにチャレンジしていく姿が印象的で、本当に彼が社会との接触を断っているのかと信じられないほどでした。
事実、Tさんも「臨床で馬に会った日は気分が高揚する」と語ってくれました。
2007年6月、ホース・フレンズ枚方セラピー牧場のオープンと同時にTさんはボランティアで厩舎作業を名乗り出てくれました。以来4ヶ月、馬たちの世話をしてくれているTさんを栗東の競走馬育成牧場の方が見て、うちで仕事をしないかと持ちかけてくれたのです。
Tさんは今、某育成牧場で馬たちに囲まれながら元気に仕事をされています。時々、枚方セラピー牧場にも顔を見せてくれるTさんに馬たちが走り寄って挨拶をしに行っています。
Yさん(39歳)の場合…
Yさんの第一印象はなんて礼儀正しい青年だろう!というものでした。
穏やかな笑顔を絶やすことなく真摯に聞き、話す好感あふれる人でした。その姿に一番敏感に反応したのは馬たちだったのかも知れません。初めての騎乗。初めてのブラッシング。初めての曳き馬。すべてのプログラムに新鮮な驚きと感動を表すYさんに馬たちはきっと嬉しかったに違いありません。
職場でのストレスから体調を壊し、休職中にホースセラピーに参加されたYさんはセラピー終了後、復職を願い出ましたがご自分の椅子はすでになかったそうです。
ちょうど枚方セラピー牧場の開設準備でみなさんに整地のお手伝いをお願いしていた頃でした。Yさんも石拾いに何度も参加してくださいました。
同じ頃、近くで有機野菜を生産されている方に牧場の馬たちのボロ(馬糞)を肥料として引き取っていただく話が進められていました。
偶然というものを縁と呼ぶのでしょうか。ある日、牧場にボロをとりにいらした有機野菜の生産者の方の後ろに一人の青年が立っていました。Yさんです。
聞けば、Yさんはかねがね有機農業に関心があり、勉強をしたいと思って自ら問い合わせた方が枚方セラピー牧場と関わりのある方だったとか。日焼けしてたくましく感じられるYさんの笑顔は今までにも増して穏やかで優しさに溢れていました。
Oさん(18歳)の場合…
Oさんがホースセラピーに参加したのは高校1年生の冬でした。
神経の繊細さが身体に反応し、不登校がちになってしまったようです。見るからに儚げな、劇画に出てくるような少女でした。小さな声で自信なさそうに話すのですが、いつも周囲に気を配り、姿勢を正し、きちんとした言葉使いで私たちにも対応してくれるのです。もっと力を抜いてもいいんだよと、言ってあげたい衝動にかられたことも幾度かありましたが、それを黙って彼女に伝えてくれたのは馬たちでした。
何の警戒心もなく近づく馬にOさんも自然体で接していました。回数を重ねるに従って彼女の表情は輝きを増し、白い歯を見せて笑うようになりました。
枚方セラピー牧場がオープンしてすぐ、Oさんは会員登録をしてくれました。
以来、熱心に活動に参加し、積極的に馬と関わり、子どもたちの面倒もよく見てくれています。
「ここが一番楽しい場所」と笑顔で語るOさんの穏やかな口調と優しいトーンに馬たちだけでなく、スタッフも心地よく癒されています。
Oさんは「ホースセラピスト養成講座」を受講し、ボランティアの側に立って活動に参加しようとするところまで歩いて来ました。大学進学も決まった彼女が、馬たちから得たものを、きっと誰かに伝えてくれることでしょう。























